レディー・ガガさんが活動休止。
その、原因となったのが「線維筋痛症」という病気らしいのですが。
この聞きなれない「線維筋痛症」という病気とは?
●「線維筋痛症」とは?
首~肩、背中や腰部、臀部などの体幹部や、太腿や膝、下肢、関節、筋肉、腱などの広範囲な部位に痛みやしびれ・こわばり感、また眼の奥や口腔の痛み、頭痛などなど様々な痛みの症状があります。
つまり、全身や身体の広範囲に痛みを感じる病気。
さらには、痛み以外にも
・睡眠障害
・疲労感
・抑うつ感、不安感
・過敏性腸症候群、便秘、下痢、腹痛
・手足のしびれ、こわばり
・頭痛
・目や口の渇き
・頻尿・膀胱炎
・その他
(月経困難、生理不順、冷感、耳鳴り、むずむず足症候群などなど)
などの症状があらわれるそうです。
重症化すると痛みの部分が移動したり、天候によって痛みの強さが変わったりすることもあります。
また、爪や髪への刺激や温度・湿度の変化などでも激痛が走るようになります。
画像引用:http://corelady.jp/pain/
●「線維筋痛症」の原因
「線維筋痛症」の原因ですが、これがまだ解明されていないんですね。
中枢神経の異常によって痛みの回路が変わり痛みを増幅させているのではないかと考えられているそうです。
思春期に受けた虐待やトラブル、手術や事故などによる外傷、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などが発症や増悪(ぞうあく:病状が悪化すること)のきっかけになることが解っています。
また、遺伝的要素も原因のひとつと考えられているそうです。
画像引用:http://ect1.net/shishunki-utsubyou/
●「線維筋痛症」を生じやすい人
男性より女性に多く、特に30~50代の中高年の方によくみられ、人口の1.66%の約200万人の患者がいるのではないかと疫学的に発表されています。
アメリカでは一般人口の約2%(女性3.4%、男性0.5%)に線維筋痛症が見られるとされており、他の欧米の報告でもこの数値に近い有病患者率を示しています。
●「線維筋痛症」は病院の検査でわかるの?
残念ながら、病院でおこなう血液、レントゲン、CT、MRIなどの検査を行なっても線維筋痛症と明確に判断できる検査はありません。
ですが、最近、脳画像検査の進歩により、脳の機能的MRI検査やPET-CT検査で脳内における痛みの情報を処理する部位の異常の存在が明らかにされており、今後のさらなる進歩によって、線維筋痛症の診断のための検査として用いられることが期待されています。
●「線維筋痛症」の診断方法
全身に18か所の圧痛点があり、4kgの力で押し、11か所以上痛く、また広範囲の痛みが3カ月続いていることが条件。
11か所以上でなくても専門医の判断で専門医の判断で線維筋痛症と判断される場合もあります。
線維筋痛症の圧痛点の位置
画像引用:http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/2011062…
自分で押してみて11か所以上に痛みがあった場合、膠原病内科、リウマチ科や整形外科を受診してはいかがでしょう。
押す強さは、押したときに指の爪が白くなるくらいです。
●「線維筋痛症」の治療方法
現在のところ原因を根絶する根治療法はなく、治療はそれぞれの症状に合わせた対症療法が中心となっています。
(薬物療法)
・消炎鎮痛剤
・ステロイド剤
・抗うつ剤
・抗てんかん剤
・オピオイド系薬物
(心理療法)
・欧米では認知行動療法がさかんにおこなわれている。
(代替療法)
・鍼灸
・マッサージ
・指圧
・カイロプラクティック
2012年に抗うつ薬のプレガバリン(商品名リリカ)が線維筋痛症の保険適用になり、近年では早期診断・治療で治せる病気になってきています。
運動療法や認知行動療法、心理療法に薬物療法などを組み合わせる多角的アプローチも行われています。
●まとめ
・思春期に受けた心理的ストレスが原因と考えられている。
・線維筋痛症は全身に痛みを伴う厄介な病気であり、さらには痛みばかりか、うつや、睡眠障害などまで引き起こす。
・残念ながら、現在の医学では検査方法もなく、根治させる方法も見つかってはいない。
・30~50代の女性に多く見られる。
画像引用:http://olivia.news/topics/14053