冬場に多いという風呂場での死亡事故。
主な原因はヒートショックと呼ばれる現象だと言います。
あまり聞きなれないヒートショック現象とはいったいどんな現象なのでしょう。
冬場の風呂の意外な危険性とは?
ヒートショック現象とは?
ヒートショック現象とは「急激な温度変化による血圧の急変動などが身体に及ぼす衝撃」のことを言います。
つまり、血圧は体内の血管が収縮するときに上昇し、血管が拡張した時に下降します。
温かい場所では血圧は低く、寒い場所では高くなります。
この変動が急激だった場合脳内出血や脳梗塞、心筋梗塞の原因となります。
一般的にこの気温の差が10℃以上ある場合は注意が必要とされています。
●行動と血圧の関係
居間(温かい)⇒血圧正常
脱衣所(寒い)⇒血圧上昇
浴槽(温かい)⇒血圧下降
浴槽から出る(寒い)⇒血圧上昇
冬場の入浴中に多いヒートショック
ヒートショック現象は外気温に反比例します。
つまり、気温が高い夏の間は少なく、気温が低い冬場に多く見られます。
入浴中の事故死は12月から2月の間に全体の約5割が発生しています。
このことで死亡原因の多くが温度差によるということが解ります。
1年間、全国で約19000人の人がヒートショックに関連した入浴中の急死に至ったとされるデーターもあります。
そのうち高齢者が大半を占めています。
この死亡者数は交通事故による死亡者数の4倍(平成25年中の交通事故死者数)を超えると言いますから、いかに冬場の高齢者の入浴が危険かが解ります。
次に、夏場と冬場の脱衣所とお風呂のお湯の温度差を見てみましょう。
(夏場)
脱衣所・浴室 25℃
お湯温度 38℃
差 13℃
(冬場)
脱衣所・浴室 10℃
お湯温度 42~43℃
差 32℃
となっています。
このデーターは東京ガス都市生活研究所の「現代人の入浴事情2015」からのものですので、
データー的には関東近辺のものだと思います。
関東でこの温度差ですから、北海道、東北、北陸などではもっと差があるものと思われます。
温度差が30℃以上も違ってくるとさすがに体には良くありませんよね。
この、温度差を小さくすることがヒートショック現象の大きな対策となります。
ヒートショック現象予防策
①脱衣所を温かくしておく
脱衣所と浴室の温度差をなくすため脱衣所に暖房器具などを置いて温めておきましょう。
②浴室を温かくしておく
浴室と浴槽のお湯との温度差をできるだけ小さくしましょう。
浴槽の蓋を開けておくのも効果的です。
③お風呂のお湯はぬるめ
冬場の風呂は熱めで入る方が多いかと思いますが、できればぬるめで入ったほうが身体の負荷が軽減されます。
世界のヒートショック現象対策
ヒートショック現象が起こるのは何も日本だけとは限りません。
ここで、東京ガス都市生活研究所調べの「浴室に暖房設備がありますか?」を見てみると。
(浴室に暖房がありますか?)
ドイツ
(YES) 98.4%
(NO) 1.6%
イタリア
(YES) 96%
(NO) 4%
韓国
(YES) 48.6%
(NO) 51.4%
日本
(YES) 27.3%
(NO) 72.7%
と、日本が異常に少ないのが解ります。
このデーターを見ると、日本でヒートショックで亡くなる高齢者が多いのも頷けますね。
あとがき
冬場のお風呂で亡くなる高齢者が多い日本。
それは、脱衣所と浴槽の温度差による血圧の急激な変動のせいだったんですね。
確かに温度差が30℃も違えば体にいいはずがありません。
しかし、死亡する人が交通事故よりも多いとは、本当に冬場の風呂は危険極まりない。
お風呂に浸かって
「ごくらく、ごくらく・・・」
そのまま「極楽」では笑えませんね。
冬場に高齢者がお風呂に入っている際は家族の方はよく気を付けましょう。
また、脱衣所に、ヒーターなどを設置して、浴室との温度差をなるべく小さくする努力をしましょう。
また、「熱い風呂に涼しい顔で入るのが江戸っ子でい!」
と言いますが、江戸っ子ではない人はなるべくお風呂の温度は下げ気味でお願いします。
小さなことの積み重ねで寿命を延ばすことができるはず。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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