近年増加していると言われている膵臓がん。
死亡するリスクも一番高いと言われているのが膵臓がんです。
そんな気になる膵臓の病気チェック。
膵臓がんのこれだけは知っておきたいこと。
目次
膵臓の役割と位置
まずは膵臓の役割割について。
膵臓は脊髄動物の器官の一つで、食物の消化を助ける膵液(スイエキ)の分泌(外分泌機能)と血糖値の調整などをするホルモン(インスリンなど)の分泌(内分泌機能)などをおこなっています。
膵臓の体積の95%以上は外分泌部が占めています。
大きさは人の膵臓で、成人で15~20cm程度あります。
場所は胃の後ろにあり本人から見て右側が太く左側が細い楔形をしていて、右側は腹部の脾臓にまで達し、左側は脾臓の下にある十二指腸がコの字に曲がった部分の間にはまり込んでいます。
膵臓がんとは
膵臓がんは近年男女を問わず増加していそうです。
年代的には特に50~70歳の高齢の男性に多いと言います。
膵臓にできるがんの90%以上は膵管の細胞にでき、これを膵管がんといい、膵臓がんとは一般的にこの膵管がんのことを指します。
膵臓を右側の太い部分を膵頭(スイトウ)部、真ん中を膵体(スイタイ)部、左側の細い部分を膵尾(スイビ)部と3つの区分に分けた場合、膵頭部と膵体部+膵尾部での発症率は3:1と言われています。
膵臓は位置的に肝臓や胃などの裏側の身体の奥深くにあるため検査が難しくそのため早期発見が困難ながんと言えます。
早期発見が難しいためその生存率は男性で7.9%、女性で7.5%とがんの種類の中で最も低くなっていて、膵臓がんの5年生存率はあらゆるがんの中でも最も低いという結果が「国立がん研究センター」の資料に載っています。
膵臓がんの症状
膵臓がんの初期の症状としては、胃の痛み、胃腸の調子が良くない、食欲不振、だるさ、体重の減少などがあります。
ですが、これらは、膵臓がんでなくても、よくある症状なので見逃しやすく、膵臓がんが早期に発見できない理由の一つとなっています。
がんがある程度進行してくると、腹痛も強くなり、背中や腰に痛みが激しく続いてきます。
また、肝臓は体内の老廃物を胆管を通して腸に送り排出しています。膵がんが大きくなると胆管がつまりこの排出機能が動かなくなるため老廃物が体内に貯まり、黄疸が見られるようになります。
糖尿病との関係にも注意が必要で、膵臓がんが進行するとインスリンの分泌量が減り膵臓がんと糖尿病を併発するということがあるそうです。
そのため、糖尿病の症状が出てきた、あるいは糖尿病の症状が最近悪くなってきたという方は早期に膵臓がんの検査も受けた方がいいかもしれません。
とにかく、早期に症状が解りづらいのが膵臓がんの特徴です。
何といっても、がんの治療は早期発見が重要ですので、膵臓がんの予防のためには定期検査をうけることをお勧めします。
膵臓がんの要因
膵臓がんの要因として、
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肥満
高カロリー、高脂肪の食事は中性脂肪を増やし、膵臓に負担をかける原因となります。
そのため、膵炎のリスクが高まります。
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糖尿病
糖尿病の人が膵臓がんになるリスクは糖尿病じゃない人より1.85倍も高いと言います。
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慢性膵炎
慢性膵炎となった場合は膵臓がんになるリスクは10倍以上も高くなります。
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過度の飲酒
アルコールの過度の摂りすぎは食物の消化やホルモン機能を担う膵臓に悪影響を与えます。
慢性膵炎の65%が過度の飲酒が原因となっているそうです。
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喫煙
膵臓がんのリスクを上げる要因として「喫煙」が挙げられています。
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ストレス
過度のストレスはあらゆる病気の要因となります。
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燻製や加工肉、血糖値が上がりやすい食品
加工肉を毎日50グラム食べるとがんのリスクは18%上がります。
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遺伝
国内の調査によると、膵臓がんにかかった患者さんのうち、家族に膵臓がんの病歴がある人はおよそ5%という結果が出ています。
また、欧米では、3人以上の親族が膵臓がんを発症している場合、そうでない人と比べて膵臓がんリスクは32倍にもなるというデータが発表されています。
などが挙げられます。
膵臓がん予防
①血糖値の測定
膵臓に異変があるとインスリンの分泌量に現れます。
そのため、血糖値が理由もないのに急上昇した場合、膵臓を疑うことができます。
②定期的な検査
初期症状が解りづらいのが膵臓がんの死亡リスクを高めています。
そのため、早期発見するためには定期的な検査は重要と言えます。
③生活習慣の改善
喫煙、飲酒などは、膵臓がんはあらゆる病気を引き起こします。
そのため、喫煙や過度の飲酒は控えるようにしましょう。
また、脂肪分の摂りすぎは脂質異常症をおこし膵臓に負担をかけます。
食生活の改善や適度な運動を取り入れた生活習慣の改善に取り組みましょう。
④DHAを摂る
青魚に多く含まれるDHAには膵臓がんの発症リスクを下げる効果があると言います。
DHAの消費量が多い人は膵臓がんを発症するリスクが低いという結果がでています。
⑤コーヒー・緑茶を摂る
コーヒーや緑茶を日常的に飲んでいる人はそうでない人にくらべて死亡するリスクは低くなるそうです。
また、コーヒーを飲む量を増やした人は同じ量を飲み続けた人にくらべて糖尿病(2型糖尿病)にかかりにくくなるそうです。
⑥抗酸化食品を摂る
がんの発生要因とされている「活性酸素」を抑えるため、ビタミンA、β―カロチン、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB、ポリフェノール、カロチノイド、イソフラボンなどの抗酸化食品を摂るようにしましょう。
あとがき
早期発見が難しいといわれ、そのために死亡リスクも高くなっている膵臓がん。
厄介な病気ですね。
症状が感じられる程度までくるともはや末期なのかもしれません。
進行具合によっては手術による切除も難しいそうです。
そうなると、やっぱり、定期的ながん検査は欠かせないものになります。
あと、膵臓がんに限った事ではありませんが、喫煙、飲酒、食べすぎ、ストレス、運動不足などはあらゆる病気の要因ですので、少しずつ改善する努力をしていきましょう。
コーヒーに糖尿病を抑える効果があるとは、少しびっくりしたかも。
ちょっとしたことでも変に感じたら、病院に行き検査を受けることをおススメします。
とにかく、がんは早期に発見することが重要。
最後まで読んでいただきありがとうございました。