骨の健康が人の寿命を決める。
カルシウムと骨と寿命の意外な関係。
ズバリ!カルシウムと骨の関係、骨の強さはまさかの寿命に比例します。
健康に長生きしたければ、まずは骨の健康から気を付けよう。
目次
骨の健康と寿命の話
人間の寿命を表すには2つの言葉があるそうです。
まず1つ目は「平均寿命」と呼ばれるものです。
よくニュースなどで聞くのがこの「平均寿命」というものですね。
「平均寿命」とはそのまま人間が生まれてから死ぬまでの年月の平均です。
2016年度の日本人の平均寿命は男性80.98歳、女性87.14歳と過去最高を記録したそうです。
この平均寿命はこれからも延びていく傾向かもしれません。
寿命を表すもう1つ目の言葉は「健康寿命」という言葉です。
こちらはあまりなじみがないのですが、これが意外と大事で、日常的に介護の必要がなく心身ともに健康で暮らせる期間を健康寿命と言います。
健康寿命は平均寿命から寝たきり、認知症などの介護状態の期間を差し引いて計算します。
つまり、「健康で自分の日常活動が制限されずに生活できる期間」のことです。
平成25年の健康寿命の統計では、男性71.19歳、女性74.21歳となっています。
平均寿命と同様にこちらも少しずつ延びていく傾向にあります。
ですが、注目してほしいのは平均寿命と健康寿命の差です。
男性9.75、女性12.93(データー的に年度が違うものなので若干の誤差はあります)
となり、生活するうえで、上記の年月は介護者が必要になってきます。
健康で寿命を全うするにはこの「平均寿命」と「健康寿命」の差を縮めることが重要であることが解ります。
では、なぜに健康な生活を送れなくなるのかという事ですが、具体的要因として平成25年度 厚生労働省「国民生活基礎調査」によると
1位 脳血管疾患(脳卒中など)21.7%
2位 認知症 21.4%
3位 高齢による衰弱 21.6%
4位 転倒・骨折 10.9%
となっています。
転倒・骨折はたった11%かと思う方もおられるでしょうが、骨折などによって動けなくなると身体活動が減少しメタボリックシンドロームとなり高血圧、脂質異常症、糖尿病などの病気を併発させたり身体機能が低下しそのまま寝たきりになる恐れがあります。
寝たきりは認知症も誘発させやすく、骨折を防ぐことは健康寿命を延ばすうえで重要事項であることが解ります。
この転倒による骨折を防ぐうえで必要となってくるのが「骨の健康」ということになります。
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)という言葉はよく聞くかもしれません。
骨の話になるとよく登場する言葉です。
なので、なんとなく意味は皆さんもご存じかもしれませんが
骨粗鬆症とは
骨の強さ(骨強度)は骨の量(骨量・骨密度)と骨の質(骨質)で決まります。
骨粗鬆症は骨の量が減少したり、骨の質が劣化したりして骨が弱くなる現象のことを言います。
通常の場合、骨吸収と骨形成のバランスが保たれ、骨量を維持していますが、骨粗鬆症の場合骨吸収と骨形成のバランスが崩れ、骨形成より骨吸収が上回り全骨量が減少していくのが特徴です。
高齢社会を迎え、骨粗鬆症の患者数は2015年時点で約1300万人を突破したと言われ増加のの一途をたどっています。
合併症として、椎体圧迫骨折(ついたいあっぱくこっせつ)や大腿骨頸部骨折(だいたいこつけいぶこっせつ)などを生じると寝たきりになるリスクが高まります。
骨を健康にするためには
骨を健康にする栄養素として
①カルシウム(骨の材料)
②ビタミンD(カルシウムの腸管からの吸収を助ける)
③ビタミンK(体内に取り込んだカルシウムの骨沈着の際に必要)
があります。
カルシウム
まずはカルシウムですが、カルシウムは乳製品や小魚、水菜や木綿豆腐などに豊富に含まれています。
乳製品のカルシウムは野菜や魚などのカルシウムにくらべ体への吸収率が高いという事が研究で解っています。
乳製品40%>魚介類33%>野菜19%
(カルシウムを多く含んだ食品)
牛乳
ヨーグルト
木綿豆腐
しらす干し
さばの水煮
水菜
小松菜
ビタミンD
ビタミンDはしらす干し、サケ・さんまなどの魚に豊富に含まれています。
また、キノコ類は日光に当てると紫外線の作用でビタミンDの量が増えるそうです。
(ビタミンDを多く含んだ食品)
アンコウの肝
しらす干し
いくら
サケ
サンマ
ウナギのかば焼き
きくらげ
ビタミンK
ビタミンKとはなかなか聞きなれないビタミンですが、近年、丈夫な骨を作るうえで必要な栄養素として注目されています。
ビタミンK1とビタミンK2があります。
(ビタミンK1を多く含んだ食品)
モロヘイヤ
ツルムラサキ
ほうれん草
春菊
菜の花
小松菜
(ビタミンK2を多く含んだ食品)
納豆
適度な運動も必要
栄養素も必要ですが骨を強くするにはやはり適度な運動も欠かせません。
骨を強くするには骨にある程度の負担をかけなければなりません。
ウォーキングや軽いジョギングなどをして骨に圧迫力をかけ骨を鍛えましょう。
また、ビタミンDを生成するうえで、太陽の光に当たることが重要です。
ビタミンDは肌の6平方センチメートルを3時間あてることで1日に必要な量を生成すると言われています。
日に当たりながら散歩やジョギングをすることは骨粗鬆症のリスクを低減させます。
あとがき
知っているようであまり知らなかった「骨粗鬆症」。
カルシウム不足でなる病気だとは認識していましたが、人間の寿命にまで関係しているとはまったく知りませんでした。
「平均寿命」と「健康寿命」。
自分一人で日常生活を送れない期間が男性で約10年、女性で約13年もあるとは・・・
健康を考えた場合、内臓や血流を気にする人は多いと思いますが、意外と身近な骨がこれだけ重要だとは思いませんでした。
骨を強くして平均寿命を全うしたいものです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。